you-only memorys 1

(逃げなきゃ・・・早くっ!こんなところから・・・)
暗い街を駆けていく。
その時彼の前に黒い影が立ちはだかった。
幾筋かの涙が彼の頬をつたう。
「ひ・・・ぃ・・、う、うわあぁぁぁっ!!!」


1匹のサンダースが飛び起きた。
「はぁっ、はぁっ・・・!なんだ今の夢・・・。」
ここは独りきりの森の中。
ポケモンは滅多に寄り付かない場所だ。
(今の夢に出てきたのは・・・イーブイだったな・・・)
俺には過去の記憶がない。
家族や家のことはおろか自分の名前すら分からない。
「あーあっ、退屈だなぁ・・・。」
誰かの声が聞こえた。俺は即座に臨戦態勢にはいる。
「おっ敵か?・・・依頼とは違うけど・・・かかってこい!!」
そいつも俺に気付いたようだ。
(依頼・・・。探険隊か。)
探険隊と思われるコリンクはいつまでたっても攻撃をしてこない俺の顔を不思議そうに見つめていた。
「敵じゃ・・・ないのか・・・。」
俺が頷くと彼は残念そうな顔をして歩きだした。
「まぁいいや。俺はもう行くから。」
「・・・ま、待てっ!俺も連れて行け!!」
俺は咄嗟に叫んだ。
「はぁ?何言って・・・。」
「連れてけっ!!」
俺がもう一度叫ぶと彼は「しょうがないな」と呟いた。


「依頼終わったからギルド戻んなきゃな・・・。お前行くあてあるのか?」
「いや・・・ないけど・・・。」
「そうか・・・なら連れて行ってやるよ。」
そう言った彼の口調はとても嬉しそうだった。

「俺はバトラって言うんだ。よろしくな。」
「あぁよろしく。」
「で?お前の名前は?」
あぁやっぱり聞くのか。本当なら聞かないでほしい。
「どうした?」
もともと嘘をつくのは嫌いなので偽名は使いたくなかった。
そっと顔をあげるとバトラの顔から笑顔は消えていた。
「お前・・・”おたずねもの”じゃないよな?」
「え?あ、違うよ。」
「じゃあ名前教えてくれよ。呼びにくいし。」
俺は言っていいのか少し迷ったけど、こいつなら信じてくれる気がした。
「分からないんだ。俺は記憶が無いから。」
「どういうことだよ!・・・嘘だろ?」
「嘘はついてないからな?」
俺はゆっくり語り始めた。


「そんなことがあったのか。」
「信じてくれるのか?」
「あんなに熱心に言われたからな・・・。」
自分を分かってくれる奴がいる。
そう思うとここにずっと独りでいた自分がバカバカしく感じられる。
「名前は後で決めてやるよ。ほら着いたぜ。」
「ここがギルドか・・・。噂には聞いてたけど・・・。」
「親方様っ!ただ今戻りました!」
「遅かったわね。お帰りなさい。」
「バト兄!!お帰りぃ!」
親方様と呼ばれたサーナイトの後ろからピチューが飛びだしてきた。
「やめろルナ!離れろって!」
「・・・私は花蓮。よろしくね。あなたはなんていうの?」
「・・・。」
俺は言葉に詰まってしまった。
「こいつ?こいつはレンって言うんだ。森で倒れてたからチームに入れようと思って。」
(レン・・・。)
「へぇ・・・貴方が?やっとチームを作る気になったのね。」
「は・・・はい・・・まぁ・・・。」
バトラの態度が明らかにおかしかった。
バトラは少しうつむいて奥の方へ駆けていった。
「・・・ごめんね。あの子チームの話をするといつもああなるの。あなたはもう探険隊だからこれをあげるわ。」
彼女が差し出したのはバックだった。
「ど、どうも・・・。」

「バ・・・トラ?」
「レン・・・。」
「えっと、名前つけてくれてありがとう。・・・なにがあったんだ?」
バトラはしばらくの間黙っていたが、少しして口を開いた。
「・・・分かったよ。お前には教える。」





あとがく↓

やばいwwwやっぱり今日学校で考えた話なんぞ残念にしかならないのだよ(HAHAHA
コメ出来んのかな・・・?
「レン」っていうのはアレです。ボカロですww

好評なら続くっ!!